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クェーサーから噴き出すガスの変動メカニズムに新知見

 信州大学と東京大学の研究者による研究グループ(注1)は、我々からおよそ110億光年(注2)の距離にある活動銀河中心核(以下、クェーサー)に対する可視測光・分光同時観測を、東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所(長野県木曽町)と国立天文台岡山天体物理観測所(岡山県浅口市)の望遠鏡を利用して3年以上に渡って行いました。
 その結果、クェーサーから放出されるガスの流れ(以下、アウトフロー)が時間変動する原因として、クェーサーの明るさの変動が関わっていることを確認しました。さらに観測結果を完全に説明するためには、アウトフローよりも高温状態にある別のガス(暖かい吸収体)の変動が、付加的な要因として必要となる可能性があることを突き止めました。本研究は、すばる望遠鏡をはじめとする世界の大口径望遠鏡では実現が困難な長期モニター観測データを基にしたものであり、これらの望遠鏡が解決できなかった課題に国内の小口径望遠鏡を使って挑戦したプロジェクトです。

 詳細については、信州大学のホームページをご覧ください。
 クェーサーから噴き出すガスの変動メカニズムに新知見(信大独創図鑑・特別レポート)

クェーサーから放たれるアウトフローの想像図

図の説明 : クェーサーから放たれるアウトフロー(白く竜巻状に描かれた部分)の想像図(Copyright: ESA/AOES Medialab)

(注1) 研究グループの構成は堀内貴史(信州大学)、三澤透(信州大学)、諸隈智貴(東京大学)、小山田涼香(信州大学)、 高橋一馬(信州大学、既卒)、和田久(信州大学)です。他に観測協力者として、岡本理奈さん、山崎綾紗さん、河口美穂さん、大畑幸大さん(いずれも信州大学、既卒)がいます。
(注2) 赤方偏移で表すと2.542に相当します。

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