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史上最も熱い惑星を発見

国立天文台岡山天体物理観測所の 福井暁彦 特任専門員 と 東京大学大学院理学系研究科天文学専攻の 成田憲保 助教 らの参加する国際研究チームKELT(注)は、昼面の温度が摂氏4,300度にも達する観測史上最も高温の太陽系外惑星を発見しました。KELT-9bと名付けられたこの惑星は、摂氏およそ10,000度の恒星KELT-9のまわりを約1.5日という短周期で公転しています。非常に高温の恒星のすぐそばを公転しているため、自ら光り輝かない惑星であるにも関わらず、この惑星の大気の温度は恒星の温度にも匹敵する高温になっています。また、この惑星は主星からの強い紫外線を受け、彗星のように大気が流出している可能性が考えられます。今後の詳細な惑星大気の観測で、惑星からの大気の流出率などが明らかになれば、この数奇な惑星がこれからどのような運命をたどるのかが明らかになると期待されます。

 詳細については、東京大学のホームページをご覧ください。
   史上最も熱い惑星を発見

KELT-9とKELT-9bの想像図

主星KELT-9(左の青白い恒星)と惑星KELT-9b(右)の想像図。主星が高速で自転しているためやや扁平になっていることや、惑星からの大気の流出が表現されている。
クレジット:NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (IPAC)

GIFアニメ

惑星KELT-9bが主星KELT-9のまわりを公転する様子を描いたCG動画。惑星は主星の自転の向きに対してほぼ垂直な方向に公転している。また、この惑星は主星から強烈な紫外線を受けており、大気が流出して彗星のように尾をひいていると考えられる。
クレジット:NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (IPAC)

注:KELT
Kilodegree Extremely Little Telescopeの頭文字をとった望遠鏡、およびチームの名前で、4.2cmという非常に小さな望遠鏡2台で1,000平方度を超える視野を一度に観測していることに由来します。2台の望遠鏡は、1台がアメリカ合衆国のアリゾナ州、もう1台が南アフリカ共和国の南アフリカ天文学観測所に設置されています。アメリカ合衆国のオハイオ州立大学、ヴァンダービルト大学、リーハイ大学などの研究者が組織したチームで、日本やヨーロッパ(デンマーク、イタリア、ポルトガル、スイス)、オーストラリアの研究者など世界中の研究者によるネットワークチームとなっています。

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