コンテンツのイメージ

新しい系外惑星観測装置MuSCAT(マスカット)、始動

2015年1月5日月曜日 | ニュース全般 一般の方向けニュース 一般の方向け(トップ)

 2014年12月24日に、系外惑星の発見と大気調査を目的として開発された新しい観測装置「MuSCAT(マスカット)」のファーストライト(*)が行われました。

 MuSCAT ( Multi-color Simultaneous Camera for studying Atmospheres of Transiting exoplanets ) は国立天文台や東京大学などを中心とした研究グループが開発を進めてきた、岡山天体物理観測所188cm反射望遠鏡に搭載するための「3色同時撮像」装置です。MuSCATでは、青( g’バンド、波長400-550nm )、赤( r’バンド、波長550-700nm )、近赤外( z_sバンド、波長800-920nm )の異なる3つの波長帯の画像を一度に、しかも高精度に観測することが可能です。同研究グループはこのMuSCATを用いて、系外惑星が主星の手前を通過する「トランジット」と呼ばれる現象を多波長で高精度に捉えることで、第二の地球とも呼べる新しい系外惑星の発見や、系外惑星がもつ大気の性質の解明に繋げていきたいと考えています。

 12月24日のファーストライトは無事に成功し、超新星残骸の かに星雲( M1、下図 )などの天体写真のほか、装置の性能を評価するための試験データが取得されました。MuSCATは今後4ヶ月ほどかけてさらに試験観測と調整が行われ、2015年後半から実際の科学観測に用いられる予定です。

 装置に関する詳しい情報はMuSCATのホームページ
http://esppro.mtk.nao.ac.jp/MuSCAT/index.html
をご覧下さい。

(*)新しく製作された天文観測装置が迎える最初の試験観測。

MuSCATで撮像された かに星雲(M1)

MuSCATで撮像された かに星雲(M1)のg’, r’, z_sバンド3色合成画像。
(60秒露出×10枚、写野5.3’×5.0’)

ニュースカテゴリー

月別ニュース

このページの先頭へ戻る