1-3. sngredを動かす(6)
- 1-3-6. ダークを引く
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*********** Subtracting Dark Frame ***********
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std_darkが存在しないときは次のような確認をしてくる。
- >>>>> Do you ignore subtraction of dark ? <y/n>
<y>と答えればダークの差引は行わず、1-3-7に進む。<n>と答えればsngredを終わってしまう。 「1--2. ダークを作る」の項を参照してstd_darkを作り、再びsngredを走らせることになる。
ダークを引くに当たって、まずダークのスケーリングを行う。 積分時間でダークをスケーリングするのは危険(SNGのCCDは現在(1992.8)温度コントロールがうまく働いていないため、外気に左右されてCCD温度が変化し、ダークカウントが単純に時間の関数になっていないため)なので、ここではCCD上で光学系によりケラレている領域の平均カウントを測定してダークをスケーリングするという方法をとっている。 このため一枚一枚の天体フレームに対してケラレ領域の設定を行わなければならず、結構わずらわしいが精度のためと思って我慢していただきたい。
¥fig ¥noindent
図1. ダークのスケーリングのためにケラレている領域を設定する。 この例では155 columnから170 columnあたりがケラレている。
¥endfig
ケラレ領域の設定は以下のように行う(図1参照)。 まず、Tektronixのエミュレータウィンドウが開き、そこで天体フレームの断面(スリット長方向に沿って切った断面)が表示される。コンソールウィンドウには、
- >>>>> Select vignetted region
と表示される。 このときIRAFのグラフモードに入っており、SHIFT+x、SHIFT+yでそれぞれx方向、y方向のグラフ拡大、SHIFT+mでカーソル位置を中心とするグラフ移動、SHIFT+cでカーソル位置の読み取りなどが行える。 SHIFTキーを押さずに任意のキーを押せばグラフモードから抜けでる。 Tektroウィンドウにカーソルを持っていき、ケラレている領域の範囲を読みとる。 カーソルを当ててSHIFT+C(SHIFTキーと<c>キーを同時に押す)でカーソル位置が読み取れる。 領域が読み取れたらリターンキーを押し、グラフモードから抜ける。すると
- >>>>> input vignetted region
と聞いてくるので、ケラレている領域を入力する。 例えば、230 columnから250 columnまでがケラレているならば、 230 250 と入力する。 数字と数字の間はカンマで区切らず、スペースを開ける。 こうして設定した領域について平均値を計算し、ダークのスケーリング量を計算する。 以降、すべての天体フレームについて以上の手続きを繰り返し、その後ダークをスケーリングしつつ差し引きする。 ダークを引いたフレームはダークを引く前のフレームに上書きされる。
- Subtracting standard dark frame from each frame...
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