11. 障害発生時の処置
11-1.観測(SNG)プログラム立ち上げ時の障害
- 症状 観測(SNG)プログラムが立ち上がらない
- 原因 電源の入っていない装置がある。
- 処置 電源をいれて、コンピューターをリセットする。
- 原因 SNG制御コンピュータ上でネットワークソフトがダウンしている。
- 処置 MSDOSプロンプトから、to_sng、もしくは、to_orgというコマンドをタイプする。自動的にコンピュータがリセットされ、ネットワークソフトが起動される。
- 原因 望遠鏡制御ネットワークがダウンしている。
- 処置 望遠鏡制御パソコン、オートガイドパソコン、SNG制御パソコンの電源を切り、望遠鏡制御ネットワークサーバのワークステーション(bizen)をシャットダウンする。login:プロンプトから"shutdown"ユーザー(パスワードは所員に確認すること)で入ればよい。okプロンプトが出たら、"boot" と入力し、bizenを立ちあげる。再びlogin:プロンプトが出たら、望遠鏡制御パソコン、オートガイドパソコン、SNG制御パソコンの順番で電源を入れる。
11-2.観測(SNG)プログラム実行中の障害
- 症状 CC200 ERROR NO X,XXXXXXXX(エラーメッセージ), Press Any Key または、GPIB ERROR NO X, Press Any Key と表示される。
- 処置 スペースバーを押し、様子を見る。システムが正常そうなら観測を続行する。続けて同様のエラーメッセージが表示されたら、CC200のリセットスイッチを押し、10秒間待ってから、何かキーを押す。以上のような操作で復旧しない場合は<STOP>キーを押し、SNG制御プログラムを強制終了させる。このとき、「バッチ処理を終了しますか<Y/N>?」と聞いてくるので、
n
と入力し、MSDOSプロンプトが出るのを待つ。その後、CC200のリセットスイッチを押し、SNG制御コンピューターをリセットする。
- 症状 分光器コマンドが実行中(ジョブの中での実行も含む)に止まり、分光器のステータスを決めるコマンドに赤色枠のものがある。
- 処置 まず、<ESC>キーを押し、様子を見る。表示が正常に戻らない場合は、分光器のハンドセットのリセットボタンを押した後に、<ESC>キーを押す。
- 症状 SNG制御コンピュータのモニタ画面が乱れる。
- 処置 SNG制御プログラムを正常終了(ENDメニューを選択)し、SNG制御コンピュータをリセットする。
- 症状 キー入力をいっさい受け付けない(<STOP>キーも受け付けない)。
- 処置 コンピューター、CC200、および、分光器全てをリセットして、再立ち上げをする。
- 症状 データセーブがいつまで経っても終わらず、ハードディスクのアクセスランプがつきっぱなしになる。
- 処置 画面をよく見る。"Now Save Data to kibi" というメッセージが出ていたら、パソコンのハードディスクへのセーブは終了しており、データはパソコンにセーブされているので安心されたい。もし、"Now Saving Data" というメッセージが出ていたらデータセーブに完全に失敗している。いずれにしても、SNG制御パソコンをリセットする。データセーブに完全に失敗しているときは、SNG制御プログラムの起動直後に、CC200をInitializeしてはならない。データはCC200の中に残っているので、プログラムが立ち上がったら、CCD Commandsメニューのsaveで改めてセーブする。データセーブ中にCC200のマウスを操作すると、このようにハングアップするときがある。データセーブ中はマウス、キーボードを一切触らないこと。
- 症状 ガイドしようとしているのに、オートガイダのモニタ画面に何も写らない。
- 原因 オートガイダ用II CCDの電源が入っていない。
- 処置 II CCDの電源を入れる。
- 原因 II CCDから制御室へのBNCケーブルが間違って接続されている。
- 処置 BNCケーブルをつなぎ変えてみる。モニタに何らかの反応(ノイズ)が出ればOK。
- 原因 ガイドカメラシャッターが開いていない。
- 処置 SNG制御パソコンで、G. Shutter(モニタ上で一番右の緑枠の列、上から2番目)にカーソルを合わせ、リターンキーを押してメニューを出し、Openを選択してリターンキーを押す。
- 原因 ガイド、コンパリソン切り替えミラーがコンパリソン側になっている。
- 処置 SNG制御パソコンで、Guide/Lamp(モニタ上で一番右の緑枠の列、上から3番目)にカーソルを合わせ、リターンキーを押してメニューを出し、Guideを選択してリターンキーを押す。ミラーの切り替わりに少し時間がかかる。
- 原因 ニュートラルデンシティーフィルターが入っている。
- 処置 SNG制御パソコンで、Fil.Slit_1、Fil.Slit_2のどちらもがND0となっていることを確認する。なっていなかったらカーソルを合わせてリターンキーを押し、メニューからND0を選択してリターンキーを押す。
- 症状 ハルトマンテストの結果がわかりにくい。
- 原因 ハルトマンテストでハルトマン板開閉データを引き算するとき(8-7章Hartmann Test参照)に、スケーリングがうまくいっていない。
- 処置1 ハルトマンテストでの露出時間、CCDゲインなどを変えてやってみる。
- 処置2 処置1でも改善されないときは、CCDコマンドのウィンドウから以下のコマンドを入力して、スケーリング調節をする。
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- 1 ci 5 c/ 2 ci 1 i+ qshow (引きすぎのとき)
1 ci 5 c/ 2 ci 1 i- qshow (引き足りないとき)
引き過ぎかそうでないかは、イメージを見て判断する。引き過ぎならラインのあるべきところが黒い筋となって見えているはずである。
上のコマンドを実行してもまだわかりにくいときは、続けて、
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- 1 i+ qshow (引きすぎのとき)
1 i- qshow (引き足りないとき)
を何度か実行する。
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