HIDESについて の変更点


*HIDESについて [#ic1e0a5b]

HIDES('''HI'''gh '''D'''ispersion '''E'''chelle '''S'''pectrograph)は188cm反射望遠鏡クーデ焦点に設置される高分散分光器です。エシェル格子を用いることにより、たくさんの次数のスペクトルを折り曲げて、分解能を犠牲にすることなく、広い波長範囲をカバーします。

:波長域|360〜1000nm
:比波長分解能|R=65000(スリット幅0.76″、200μmにたいして)
:検出器|CCD:13.5μm角ピクセル,2048×4096素子
:方式|特定の名称なし
:コリメーター	軸外し放物面
:カメラ|球面レンズ系(5枚玉)、焦点距離855mm、口径200mm
:エシェルグレーティング|31.6本/mm(ブレーズ角65°)
:クロスディスパーザー|250本/mmと400本/mmの二つを切り替え可能
:効率|3%@500nm(スリットを広げると大気圏外のフラックスの3%が検出される)
:感度|12mag@V-bandの点源を分解能65,000で観測した時、1時間積分でS/N≦〜>10程度。望遠鏡の鏡面の反射率やシーイングにより、ファクター2で変化する。
:最高分解能|R=110,000
:同時観測波長域|115nm with 250gr/mm for single CCD
設計・製作・調整を岡山観測所員(+大学院生)の力でやり遂げました。開所以来使われてきた HILGER&WATTS製分光器(F/10カメラ)にくらべ、最高比波長分解能3倍、同時観測波長域10倍以上を誇ります。1997年春から製作を開始し、1999年春にファーストライトを迎え、2000年1月から共同利用を開始しました。

大型CCD時代にマッチした高分散エシェル分光器です。設計・製作・調整を岡山観測所員(+大学院生)の力でやり遂げました。開所以来使われてきた HILGER&WATTS製分光器(F/10カメラ)にくらべ、最高比波長分解能3倍、同時観測波長域10倍以上を誇ります。1997年春から製作を開始し、1999年春にファーストライトを迎え、2000年1月から共同利用を開始しました。

HIDESの主な構成要素は、スリットと較正光源、コリメータ鏡、主分散素子のエシェル格子、エシェル格子による回折光の次数の重なりを解くクロスディスパーザー回折格子、結像カメラ光学系、CCDカメラ、そして制御系です。エシェル格子は一定の姿勢に固定。CCDは2Kx4K素子のCCDを、最終的には2個モザイクにして利用します(今のところは1個で使用)。クロスディスパーザーは青用(波長4500Å以下)と赤用(波長4500Å以上)の2種類があり、瞬時に交換できます。赤用の場合一度に観測できる波長域はモザイクCCDに対して2000Å強となります。また、結像光学系に口径200mmのレンズ系を採用したことで、光束のケラレを心配することなく大型CCDの導入を図ることができました。

分光器の総合的な性能は比波長分解能100,000が十分達成可能です。実際にスリット幅0.38"の時に2Kx4K素子のCCD上に記録されたスペクトルのどの部分においても比波長分解能100,000が実現されていることが確かめられました。さらにピクセルサイズの小さいCCDによるテストで、スリット幅を狭めると160,000まで到達できることが明らかになっています。HIDESは188cm望遠鏡で比波長分解能100,000を定常的に実現できる初めての分光器です。CCDの読み出し雑音は4.5電子相当が達成されています。望遠鏡を含めたシステムの感度については、比波長分解能 65,000の設定で12等級の天体を1時間観測すると、4000 - 7000Åの波長域においてS/N=10以上が得られます。
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