・観測方法

 

観測期間   2001年 4月4〜10、12〜15日、5月29・31日、6月1〜3日、7月23〜27日

        11月2〜4、6〜10、12〜25日

        2002年 2月25・28日、3月1〜3日、5月29・31日、6月1・2日、7月26〜31日

               9月24〜26、28日、10月21〜23、28〜30日、11月1〜4日、12月22〜25日

        全71夜

 

観測機器  91cm望遠鏡によって集められた星からの光はスリットを通って分光器に入り、

        スリットを通過した光はコリメーターによって平行光線にされます。

        そして、その平行光線がグレーティング(回折格子)で分散され、

        カメラレンズで受光部にあるCCDカメラに集めらます。

        この時、光の波長によって異なった場所にそれぞれのスリット像が結ばれるので

        スペクトルが得られる仕組みになっています。

 

91センチ望遠鏡 分光器とCCDカメラ

Nikon分光器の性能

AndorCCDカメラ

CCDカメラの性能

 

メンバー   定金 晃三、松岡 友和、大久保 美智子、木村 佳代、清水 智美、久形 陽子

        安部麻衣子、後藤百美子、潰滝茜(以上 大阪教育大学)

        乗本 祐慈(国立天文台 岡山天体物理観測所)、粟野 諭美(岡山天文博物館)

平田龍幸(京都大学理学部)

        

観測データ  

 

観測はすべて91cm望遠鏡のカセグレン焦点にNikon分光器を取り付け行いました。

また分光器の焦点面にはAndor CCDカメラを使用しています。

赤波長域では1200本/mmのグレーティングを使い

Hαを含む6200Å〜6800Åの範囲を観測しました。

この場合、約1.0Å(R=6000)の波長分解能を得ました。

青波長域では600本/mmのグレーティングで

Hβ、Hγ、Hδを含む4000〜5000Åの範囲を観測しました。

波長分解能は約1.6Å(R=3000)でした。

またCCDの画像処理のため、Objectイメージの他にbiasイメージ、

darkイメージ、flatイメージを撮影しています。

biasはCCDの読み出し時のノイズで、カメラのシャッターを閉じた状態で

0秒の露出(実際には0.058秒)をすることで得られます。

flatはCCDの素子が厳密には一様でないためその感度むらを補正するために

一様な明るさの分布をした対象を撮影することで得られます。

darkはobjectの露出時間と同じ時間の露出をシャッターを閉じた状態で行います。

そして波長の補正には比較光源としてFe-Neランプを用いてcomparisonイメージを撮影しました。

 

データ処理  

 

データの処理は天文用の画像解析ソフトIRAF(Image Reduction and Analysis Facility)

を用い、2次元のイメージから1次元のスペクトルを抽出しています。

また、dark、flat、objectフレームの作成にはS/N比をよくする為数枚の重ねあわせを

averageまたはmedianで行いました。

 

今回のデータ

 

   FITSファイル・・・上記の方法で処理。このデータをご覧になる場合はFITS対応のソフトウェアでご覧ください。

   TXTファイル・・・FITSファイルをIRAF上でTXTファイルに変換しました。

   スペクトル画像・・・TXTファイルの数値データからソフト的に作成(写真でとられたものではありません。)

              ソフトウェアは横尾武夫氏(大阪教育大学)によって作成されたものを使用しています。

              尚、CCDが1024ピクセル、2048ピクセルの2種類を使用しているため、

              2048ピクセルのものは半分に縮小しています。

   スペクトルのグラフ・・・TXTファイルの数値データをSma4(グラフ絵画ソフト)にてグラフに変換しました。

             (スペクトル画像と同じ波長域にする為データは一部切り落としています。)