******* IRAFを用いた ******* ******* OASIS直接撮像データ解析マニュアル ver.3.0 *******   '96/7/10  奥村真一郎 ---- このマニュアルは「楽しいIRAF」(in IRAF cook book)程度の ---- ---- IRAFに関する知識を前提としています。IRAFの操作に慣 ---- ---- れていない方はまずそちらを参照されることをおすすめします ---- 文章中、' 'で囲んだ単語はIRAFのタスク名を、" "で囲んだ単語はタスクでの edit parameterの設定を表します。たとえば、'images.tv.display'はパッケージ 「images」の中のパッケージ「tv」の中にあるタスク「display」という意味です。 なお、おなじタスクでもIRAFのバージョンによってはそのタスクのはいって いるパッケージが少しことなる場合があります。 (このマニュアルはver.2.10.3にしたがって書いています) (2度目以降はたとえば'images.imcombine'を'imcombine'と略して記述して いる場合があります) 0) fits fileからIRAF形式のファイルに変換 ('dataio.rfits'タスク)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ このときedit parameterでdatatype="real"にしておくのがよいでしょう。 1) ダークフレームの作成  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  各積分時間の10枚のダークの平均画像を作ってこれをダークフレームとします。 平均化(足し合わせ)は'images.imcombine'を使うとよいでしょう。 (eparでcombine="median"ではなく"average"をとった方がきれいな画像になるよう です。ただし、"average"をとった場合、cosmic raysの影響を受けるのでeparの rejectを"sigclip","avsigclip",あるいは"pclip"などに設定した方が良い)  注) あらかじめ1枚1枚の画像を実際に'images.tv.display'で表示させて、異常な 画像があるかどうか確認するのが望ましいが、通常は'images.imstatistics'等 で平均値とばらつきを調べる程度で良い。異常な画像がみつかった場合はその 画像を除いてから'imcombine'を実行します。 2) ダークの差引  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 各生データから同じ露出時間のダークフレームを引きます。 (以後、生データからダークフレームを引いたフレームを「Dsubフレーム」と呼ぶ) 3) フラットフレームの作成と感度ムラの補正  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 近赤外では一般に撮像観測の場合はsky flatを用いるとされている。ただし、 thermalなemissionがスカイに乗っていると思われる場合(特にKバンド、Hバンド) はsky flatをそのまま使用すると大きな誤差を生ずることがあるので、その場合には ドームフラットを併用する。 以下、Jバンドについてはスカイフラットをそのまま使用するものとして3-1) で、H、Kバンドについてはドームフラットを併用する、という立場で3-2)で フラットフィールディングの方法を説明するが、Jバンド画像の解析を行なう場合も 必ず3-2)の説明を一読するようにして下さい。 3-1) Jバンド(あるいはこれに準ずる波長の狭帯域フィルター)の場合 3-1-a)セルフフラットを用いる場合(大抵の場合はこれに相当する) オブジェクトの「Dsubフレーム」を用いて、'imcombine'で足し合わせ、"median"を とることにより星の像を取り除き、フラットフレームを作る。各バンド(フィル ター)ごとにその日のスカイフラットを作成することになるが、枚数は多ければ多い ほど好ましいので基本的には同じ日に同じ露出時間、同じフィルターで取ったすべて のデータを用いて一枚のフラットフレームを作る。ただし、あまり時間の離れた画像 同士を用いて1枚のフラットフレームを作ると結果的に良くない場合がある。このよう な場合は観測時間ごとに適当にくぎって1晩で複数枚のフラットを作ることが必要に なる。 (フラットがきちんと作られているかどうかは、実際にフラットで割った画像を見て みないとわからないので) フラットフレームを作成する際の注意点として、近赤外では空の明るさが常に変動 しているので(特にHバンドで顕著)、たとえ同じ露出時間の画像でも空の明るさが 一定ではない、ということに注意しなければならない。そこで、'imcombine'でたしあ わせる前に画像のスカイレベルをあわせておく必要があります。「Dsubフレーム」の 1枚1枚の画像に定数をかけることにより「レベル合わせ」を行ないますが、「Dsub フレーム」を定数倍してしまうと天体のカウント量が保存されないので、かけた定数 (のリスト)は保存しておき、フラットを作り終ったら必ず同じ定数で割って元の値 に戻しておきま す。この「レベル合わせ」の作業をおこたるとフラットフレームに星 の像が残ってしま うことがあります。 「レベル合わせ」の具体的な作業としては、まず'imstatistics'で3σ程度以上の 値をカットするようにlower、upperの設定をしてやり(何回か繰り返す必要あり)、 その時にmedianで読んだ値(eparのfields="midpt"の値)がどのフレームもほぼ同じ 値になるように各フレームに定数をかけて揃えます。 定数をかけて「レベル合わせ」した画像について'imcombine'で"median"をとって、 フラットフレームを作ります。'imcombine'を行なう際、星の影響を減らすためにedit parameterでhthresholdを適当な値(天体の写っていない所で最もカウントの高い値 (普通は画面の右下付近の値)よりやや大きめ)に定めておくと良いでしょう。さら にeparのrejectを"pclip"か何かに設定するとより良いでしょう。 より良いフラットを作る方法としては、「Dsubフレーム」をそのままコピーした画 像を作り、'images.tv.imedit'、'proto.fixpix'などのタスクを使用して天体の写っ ている場所をマスクしてから同じ作業をするともっと良いフラットができると思いま す。(私はやったことがない) しかしながら、極端に明るい天体や広がった天体が写っている画像を使ってフラッ トを作るのはもともと無理があることであり、この様な場合は最初から天体のフレー ムとは別にフラット作成用のスカイフレームを別個に取得してフラットを作る方が良 い。 (3-1-b参照) フラットフレームを作成したら、'noao.imred.generic.normalize' を用いて normalizeを行なう。eparでupper,lowerの値を平均値±3σ程度に設定すれば良いで しょう。 フラットをnormalizeしたら、「Dsubフレーム」を同じバンドのフラットフレームで 割算をすれば感度ムラの補正は終了。 3-1-b) オブジェクトとは別にスカイフレームの画像を取得した場合 (オブジェクトが拡がった天体である場合、セルフフラットでは バックグラウンド(空)のカウントが小さ過ぎる場合、etc.) フラットの作り方は全く同じ。スカイフレームの「Dsubフレーム」を用いて 3-1-a)と同じ処理を行ない、フラットフレームを作成します。 フラットを作ったら、やはりnormalizeを行ない、「Dsubフレーム」をこのフラット で割って感度ムラの補正は終了。 3-2) H、K(K’)バンド(およびそれらに準ずる波長の狭帯域フィルター)の場合 この波長帯ではbackgroundに含まれるthermalなemissionの割合が増えてきます。 (たとえば望遠鏡、空、装置の窓についたゴミ、などから)これが視野内で一様であれ ばそれほど問題がないのですが、実際は多くの場合でそうではありません。それを たしかめるためにまずドームフラットとスカイフラットを比較してみます。 まず、フラット用ライトONで撮った10枚の画像とOFFで撮った10枚の画像を1)の場 合と全く同じ方法でそれぞれについて平均化(足し合わせ)し、ONの平均フレームか らOFFの平均フレームを引き、これをドームフラットのフレームとします。このフレー ムに対してもやはりnormalizeをしておきます。次に、3-1と同じ方法でスカイフラ ットを作成し(normalizeはしない)、これをドームフラットで割ってみます。thermal なemissionが視野内で一定であればこの時の画像はほとんど平になるはずです。しか し、大抵の場合は画面にでこぼこがあったり、傾きがあったりします。この場合、感 度ムラの補正に加えてこのemissionの超過分をひいてやる作業が必要となります。そ の方法として、次の2つの方法をあげておきます。 方法1 ・「Dsubフレーム」から、スカイフラット(normalizeしていないもの)を引く。 (emissionの削除) ・このフレームをドームフラットで割る。(検出器の本来の感度ムラ補正) 方法2 ・「Dsubフレーム」をドームフラットで割る。(検出器の本来の感度ムラ補正) ・このフレーム(「mksフレーム」と呼ぼう)に対して、5-3と同じ方法で加減算によ りスカイレベル合わせをする。 ・スカイレベル合わせをした「mksフレーム」を'imcombine'で足し合わせ、"median" をとることにより星を除いて「超過スカイ」フレームを作る。 ・「mksフレーム」から「超過スカイ」フレームを引く。(emissionの削除) 「thermal emission」のパターン、明るさが比較的一定で、それに対して空の明る さの変動量の方が大きい場合には方法2の方が良い。「thermal emission」も空の明 るさもほとんど変化していないときは方法1で良いと思うが一般的には方法2の方が 良いであろう。 なお、この「超過スカイ」フレーム(方法2の場合、方法1の場合はスカイフラッ トフレームがこれにあたる)は時間的に変動していることが多いので注意を要する。 たいていの場合、時間で区切っていくつかの「超過スカイ」フレームを作る必要が生 じる。 オブジェクトフレームとは別にスカイフレームを取得した場合、そのスカイフレー ムを用いて「超過スカイ」フレームを作成する。3-1-b)と同様。 % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % 本来はJバンドでもこのような手続きをふんだ方が良い事は言うまでもない。 % % Jバンドの場合thermal emissionの量は小さいので、無視してもそれほど大きな影 % % 響はないが、やはりできればドームフラットをちゃんと取ってスカイフラットと比 % % 較し、必要があればK、Hバンドの場合と同じ手続きを行なうべきでしょう。 % % 特に3-1-a)で書いてあるように時間によってスカイフラットが変動している % % 時などは要注意です。 % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % % 4)bad pixel、cosmic rayの除去  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ bad pixel、cosmic rayの影響は、最終的には画像をずらして足し合わせることによ りほとんど消えてなくなりますが、その影響を少しでも減らすためにこの作業をしま す。幸いにもIRAFには'noao.imred.generic.cosmicrays'という、うってつけのタ スクがあるので、これを使用します。ただし、このタスクは回りに比べて出っぱって いるピクセルに対してしか使用できないので、回りに対して値が小さくなっているピ クセルの値を補正するためには−1を掛けた画像に対しても同じことをしてやらない といけません。具体的には次のような一連の手続きをふむことになります。( _はスペ ースを表す) ・cosmicrays_(画像の名前)_(画像の名前)_thresho="スカイのばらつきの10倍程度" ・imarith_(画像の名前)*_-1_(画像の名前) (←画像を裏返す) ・cosmisrays_(画像の名前)_(画像の名前)_thresho="スカイのばらつきの3倍程度" (このとき、「...previous corrected....」と警告がでるが、気にしないこと) ・imarith_(画像の名前)*_-1_(画像の名前) (←元の正の画像に戻す) eparのfluxratioのところはデフォルトの値(=2)のままでいいでしょう。なお、 thresholdの値はスカイのばらつきの3倍程度が良いとされているようですが、リアル な天体の箇所を過補正してしまう可能性があるので,1行目の式では大きめにとってあ ります。'cosmicrays'の結果に不満がある場合はeparのfluxratioやthresholdの値を いろいろ変えてやってみてください。ただし、 bad pixel、cosmic rayを完全に消し 去るのは無理で、完全に消えるような設定にするとリアルな天体の所も補正されてし まう危険があります。 5) 画像のたしあわせ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 現在のところ、たしあわせを自動でやってくれるソフトが整備されておりません。 したがってたしあわせはすべて手作業で行ないます。 (たしあわせ以外の処理も手作業ですが....) 5−1) 画像のシフト ずらして撮った数枚の画像にたいして、'imexamine'や 'proto.imcentroid'などを 用いて同じ星の位置座標を調べる。('imexamine'でカーソルを星のところに持ってい き、「a」とタイプすると星の座標、フラックス量、シーイングサイズ等の値が表示さ れます。)どれか1枚のフレームを基準に選び、星の位置を基準にしてこのフレームと 一致するように他のフレームをずらしてやる。'images.imshift'を使用するのが無難 であろう。 'imshift'のparameterでboundary="constant"、constant="負の値"(たとえば-10000) に設定しておくとよいでしょう。 ある程度の範囲内(半径2〜3pixel程度)にまであらかじめ大雑把にシフトさせて やれば、あとは'proto.imalign'を使うと自動で位置合わせをやってくれます。 'imalign'のparameterはtrimima="no"、boundary="constant"、constant="負の値" としておきます。coordsのところは基準にする星(3〜4個)の座標を書いたファイル、 たとえば 45 63 186 58 209 197 50 203 (1列目 x座標、2列目 y座標。この値もおおよその値でO.K.。) のようなファイルをつくっておき、このファイル名をいれます。位置合わせの基準に 選ぶべき星は、明るいほうが良いようです。(多少サチッていても大丈夫です) また、東大・天文センターの森野君が自動で位置を合わせるプログラムを作ってく れたので、必要な方は彼に直接コンタクトを取ってみてください。   注)この作業は'images.geotran'を用いても可能ですが、現時点では光学系の収差 の評価がなされておらず、またOASISは分光と撮像をミラーの角度で切替 える装置であり、ミラーの位置の再現性の問題で収差が常に同じである保証が ない、という理由のため、むやみに'geotran'を使うことはあまりお勧めできま せん。   注)光学系の収差のため、画面中央で合わせても端の方ではうまく位置があわない ことがあります。 → モザイクを行なわない(4′×4′の一枚の画像とわりきる)ならば 'images.geotran'を用いてもよいでしょう。(その方が収差による ずれは減るかもしれません) 注)あとでモザイキングをする場合、かつワークステーション(あるいはLinux版 IRAFを使っている人ならPC)のディスク容量に十分な余裕がある場合には、 ここでシフトは行なわずにシフト量の情報だけを控えておき、5−2)、5− 3)、5−4)、5−5)のまえに6−1)のモザイキングのシフトを先に 行ない、この時にまとめてシフトさせたほうが解析誤差は減るでしょう。 ただし、この方法では1枚1枚の画像をモザイクの位置にシフトさせた 後で足し合わせることになるので、6−1)で記述する「壁紙」と同じ大きさ の画像がオブジェクトフレームの枚数分必要になり、かなりのディスク 容量を必要とします。 5−2)シーイング合わせ ずらして位置を合わせた画像をたしあわせる前にシーイングサイズを合わせます。 'imexamine'等で1枚1枚の画像のシーイングサイズを調べ、'images.gauss'等を 用いて、最もシーイングサイズの大きい画像にあわせてconvolutionをかけて やります。 特に、'imshift'や'proto.imalign'などで小数単位のshiftを行なうと画像がなまっ てしまいシーイングサイズが大きくなってしまうので、シフトの基準点として選んだ 画像は他のフレームに比べてシーイングサイズがかなり小さくなっているはずです。 5−3)スカイレベル合わせ 3)のところでも述べたように、赤外では空の明るさが時々刻々と変化します。 従って画像のバックグラウンド(=空)の明るさはフレームごとに変動しています。 これをそろえるために、各フレームにたいして定数を足して(あるいは引いて) やり、バックグラウンドのカウントがどのフレームもほぼ同じ値になるように揃え ます。 (空の明るさは視野内ではどこでも一定であるという仮定に基づいていますが) 注) 3−1)の「レベル合わせ」ではかけ算(割算)で合わせたのに対して、 ここでは足し算(引き算)で合わせていることに注意! 捕捉)実は5−1の作業の前に大雑把なスカイレベル合わせをあらかじめ やっておくと、5−1 〜 5−2の作業がしやすくなります。 (imageの表示の関係で) 5−4)端の切り落とし(トリミング) 5−1、5−2の作業により、画像の情報のある部分とない部分の境目の1列(or 1行)の値がおかしくなるときがあります。この部分が画像のたしあわせの時に影響 をおよぼすことがあるので、この場合はおもいきってその部分を切り落とします。 ('proto.imreplace'でむりやり極端な値(たとえば-10000)にかえてしまう、など) 注)この作業を省略してもそれほど影響がない場合もあります。5-4を飛ばして 先に5-5の足し合わせをやってみて、影響が見られる場合(画面の左右の端の 方にはタテ、上下の端にはヨコ方向の直線状の模様が見られる場合)に限り、 トリミングを行なう、というのが賢い方法かもしれません。 5−5)画像のたしあわせ 'imcombine'を用いて画像をたしあわせてS/Nをかせぎます。bad pixelの影響を 除くために、eparでcombine="median"とします。また、256×256画素のうち、 ずらしたために画像の情報がなくなってしまった部分が 'imcombine'で影響をおよぼ さないように、lthrethouldの値を"skyのカウント値 -(skyのばらつき×3)" 程度 に設定します。 (このために5−1の設定をしました) ずらしたために端の方の情報のないフレームが生じるので、結果的に端の方は足し 合わせる枚数が少なくなってしまうのでS/Nは多少落ちます。 6) モザイキング (広い範囲にわたって観測した時のつなぎ合わせ)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 6−1)シフト 'noao.imred.ccdred.ccdtest.mkimage'で適当な大きさの画像(いわば壁紙)を作成 します。eparでoption="make"、ndim="2"、dims="画像の横軸の範囲_(スペース)縦 軸の範囲"と設定します。この壁紙の値は例によって-10000などに設定しておくと良い でしょう。eparでvalue="-10000"とします。壁紙を作ったら、5−5で作った画像を 壁紙に張り付けます。5−5で作った画像と壁紙を'imcombine'でたしあわせれば よい。lthrethouldの値は(壁紙の値+1000)程度に設定して'imcombine'を行ない ます。張り付けた画像に対してシフトを行ない、位置を合わせます。(重なっている 領域にある星の位置をしらべて。 もちろん手作業で)'imshift'のparameterは 5−1の場合と同様に設定します。 6−2)シーイング合わせ つなぎ合わせた後の大きな画像を使って一度に測光を行なう場合にはこの作業を しておいた方がよいでしょう。6−1でそれぞれの場所にずらした画像の シーイングサイズを調べ、5−2と同様に最もシーイングの大きいものに 合わせます。 6−3)フラックス合わせ(含 secZ補正) 6−1)、6−2)の作業を終えたそれぞれの画像に対し、重なっている領域に ある星のフラックスを比べ、各画像を定数倍することによりフラックス量を そろえる。最終的には基準に選んだどこか1つの画像のフラックスに全体を 合わせる。 (これがなかなかやっかい。 IRAFクックブックのモザイクCCDの章で安田さんが モザイキングにおける位置合わせの概念(フラックス合わせにも応用可能)について 書いているので一読する価値あり。) 重なっている領域は、大抵の場合画面の端のわずかな領域だけのため、フラックス 合わせの作業に対してはフラットのエラーがまともに影響してきます。空の状態が 安定していたと思われる時はあまり神経質にやらずに、secZの補正をする程度で 良いかも知れません。空がhazyな状態だった場合にはある程度きっちりやる必要が あるでしょう。 (hazyな状態で撮ったデータで測光をやろうとすること自体があまり意味の ないことかもしれませんが。) 6−4)スカイレベル合わせ シフトさせたそれぞれの画像に対し、スカイの明るさを揃える。 5−3とほぼ同様。 6−5)端の切り落とし 6−1、6−2の作業を行なうと、その影響で5−4と同様のことが生じるために この作業を行なう。 この時に重なり合う領域ができるだけ少なくなるようにばっさり 切り落としたほうが位置合わせの誤差による影響が減るような気がします。 6−6)つなぎあわせ モザイクすべき画像を'imcombine'を使ってたしあわせる。combine="average"でも "median"でもほとんどかわらないはず。ただしlthrethouldを "skyのカウント値 −(skyのばらつき×3)" 程度の値に必ず設定すること。 つなぎあわせた画像をチェックして、必要ならば6−4の作業をやり直す。 モザイクでつなぎあわせてみたけれど、きれいにつながらない! ということが よくあります。フラットあるいは超過スカイがきっちりできていないためです。 めげずに 3)からやり直しましょう。 捕捉)波長の違う画像同士を比較しようとして重ねようとすると、うまく位置が あわないことがあります。光学系の屈折率が微妙に異なるためです。この ような場合には'imshift' ではなく 'geotran'を使用して下さい。 7)Photometry ( aperture photometry, & PSF-fitting photometry ) ****** 半年後に気が向いたら執筆予定 ****** 注!注!注!注!注!注!注!注!注!注!注!注!注!注!注!注! このマニュアルはまだまだ不完全なものです。従って常に up date する可能性が あります。ここに示した方法よりももっとスマートでよい精度の得られる方法が あるかもしれません。意見のある方はお寄せ下さい。お待ちしております。 なお、東北大の佐藤康則氏から貴重な意見をいただきました。ありがとうございます。