KOOLSとは…
- 左の写真は188cm望遠鏡カセグレン焦点に取り付けたKOOLSで(2005/3/6撮影)、
黄緑色の部分がカセグレン装置共用のガイド/アクイジション系、
その下の紺色の部分がKOOLS本体、右上のラックがKOOLS制御系となっています。
- KOOLS
(Kyoto-Okayama Optical Low-dispersion Spectrograph)は、元々京都大学で
開発されてきた京都三次元分光器第一号機(Kyoto-3D1)を、岡山天体物理観測所
188cm望遠鏡の汎用低分散分光撮像装置
として利用するために、CCDおよび制御系を改良して基本性能と使い勝手を向上させた
装置(になる予定)です。
※Kyoto-3D1の参考文献 : Ohtani et al. (1998), SPIE, 3355, 750;
Ishigaki et al. (2004), PASJ, 56, 723 など
- 装置としてはクラシカルなfocal reducerで、焦点面にスリット、カメラ
レンズ手前の瞳位置にグリズムを入れた場合はロングスリット分光モード、
それ以外の時は基本的には撮像モードになります。
- 以前はファブリペロー干渉計やマイクロレンズアレイを用いた観測に主に
用いられていましたが、現在はその機能はありません。
※Fabry-Perotエタロンは京都三次元分光器第二号機で使用中
※マイクロレンズアレイは現在も使用可能ではあるが、調整、準備、効率などの
問題で、基本的には使用しない方針
- レイアウト
下の図はマイクロレンズアレイモードの光学配置で、現在のスリット分光/撮像
モードでは、
M1は取り外し
L4はL5Abに固定
M4は上に上げた状態で固定
となっています。
(原版)
- CCD
CCDはTexas Instruments TC-215からSITe SI002A (2k×4k)へ更新。
これにより効率は1.5〜2倍、読み出しノイズは〜1/3になりました。
また、CCD上で電荷を往復移動させるcharge shufflingが可能となり、
Nod-and-Shuffleなどの観測手法を使用することができるようになり
ました。
- 制御系
CCDの制御にMessia5を用いることによって、装置の制御に安価で高性能な
Linuxマシンを使えるようになりました。
また、これまでモーター系の制御に使用していたPC-98のノートパソコンが
故障したため、同じLinuxマシンを用いた制御に一本化しました。
- 各種パラメーター
コリメーター焦点距離 : 300mm
カメラレンズ焦点距離 : 81mm
CCD pixel サイズ : 15um
※188cm望遠鏡のカセグレン焦点については
こちら
※各モードの詳細はPerformanceの項で