KOOLS: Kyoto Okayama Optical Low-dispersion Spectrograph

Development Diary: 200708

[20070801]

8/1 9:00 1.6e-3 torr.徐々に悪化し, CCD温度は-88度C. HIDESが真空引きしている.

kls00
6511 真空計on, 組調室蛍光灯on. [401:600,401:600]でrms10.5ADU
6512 真空計off, 組調室蛍光灯off 5.6ADU.
6513 6512と同じ条件. 3.8ADU.

素通しの状態で. 緑色LEDを装置上面に置く. キムワイプで減光.

6514 I-band filter. 0.5sec. peak 16,000ADU
6515 foc_slide -10,000. exp 1 center1000 => LEDつけ忘れた
6516 6515と同じ. LED on. 細いスリット:x=954
6517 foc_slide -12,000.  細いスリット:x=774 左側に光漏れ
6518 foc_slide -14.000. 細いスリット:x=592. スリットのみ
6519 foc_slide 0に戻した後-16,000(./move foc_slide 14000; foc_slide -16000) 細いスリット:x=228. 右側に光漏れ.
 foc_slide 2000で-14,000にした後texp. 細いスリット:x=594. ~2pixのずれ. CCDY方向に対する平行性はそれほど悪くない(<2pix).
 slitのy方向下限がy=142. けられがない下限に一致している(cf. 6514).
 デジカメの写真: foc_slide -14,000, -15,000. -14,000だと少し光が入りそうに見える.
 スリット脇に遮光板が必要か.
6520 foc_slide -15,000.  細いスリット:x=504

 入射口MFront電源側半分を遮光(デジカメ画像参照).
6521 foc_slide: -15,000. y方向半分遮光. => +yがMFront電源側.
6522 bias. shutter, motor drivers on. rms12.5ADU.
6523 bias. filterターレット電源をoff. 他は6522と同じ. 4.2ADU.

ターレットAのstop VRを0.2A程度に落とした(スイッチで).
6524 bias. ターレットA ON. B off. 8.8ADU. 若干落ちた?
外部電源から24V供給.
6525 非常にnoisy. 178ADU.
6526 外部電源のframe GNDをつないだ. noisy. 540ADU.
外部電源をKENWOODの36Vのものに変更.
6527 noisy. 620ADU
6528 KENWOOD電源のFGをつないだ. 290ADU.
6529 6524の状態に戻した. 27ADU. 大きくなっている
6530 ターレット電源をどちらも落とした状態. 10ADUだがspikeが効いている. 局所的には3-4ADU.
6531 ターレットAの-側をfarame GNDに落とした. 

ターレットAのH-ON,OFF(current on/off)制御可能に
prog/motor/cs

6532 bias current onの状態
6533 35ADU
6534 wheel-a motor drive off 4.5ADU

./cs wheel-a 120
6335 wheel-a current off, その他motor drivers off shutter off. 6.4ADU.
6336 wheel-a motor driverの電源をノイズフィルター近くからとった. 5.8ADU.

17:20 真空引き開始. 2.3e-3から急速に真空度上昇. 17:25 1.1e-5 torr.

prog/motor/を書き換え. filter wheelには電磁ブレーキはなく, ノイズ低減のため使用しない(move, org以外の)時はcurrent off状態(汎用出力DO2, DO3を使用)にするよう, motor.c,move.cとorg.cを修正した. DO2(wheel-a), DO3(wheel-b)からcurrent_offの場合モータードライバのHOFFに5Vの信号が出るように配線した.

[20070802]

8/2  8:45 4.5e-6 torr.
8/2 13:20 1.2e-5 torr.
13:25 真空ポンプ停止.
kls00
6537 shutter, motor drvs off. 5.2ADU
6538 6537と同じ. 6.3ADU.
6539 motor drv boxのふたを閉めた. 
6540 motor drv, shutter on. 21.4ADU.
6541 6540に対しfilter wheelsのmotor drvをcurrent_offに(cs 120). 5.9ADU.
6542 MFrontをアルミホイルで覆った. wheels motor drvs off.  6.9ADU.
6543 MFront frame GNDをアースした. wheels motor drvs off.  5.9ADU.
6544 shutter電源のframe GNDをMFront電源シールドに落とした. 明らかな変化なし.
shutter電源の-をframe GNDにつなげるとmessiaのvcheckで最初の4chがbad channelになる. ノイズが出ているのではないか.

モータードライバの現状の制御はCの単独プログラムで行っている. current_offを行ってもこのプログラムがdeviceをcloseして終了すると 信号は止まってしまう. 常駐プログラムを作ってsocket通信で必要な時のみcurrent onにするのがよいだろう. 焦点面ユニットやグリズムなど他のモータードライバも一斉にcurrent offにするようにすれば 比較的シンプルに実装できそう.

焦点面ユニットの加工とスプレーを行った.

真空度が悪化. 15:30の時点で1e-2 torr. 冷却を停止し, 常温に戻してみる.

[20070807]

朝、望遠鏡にとりつけた.

7.5e-5 torr
6546 186K lakeshore on, ts100 on 20ADU rms.
6547 ts100 off, lakeshore on 20 ADU rms
6548 motor drivers current off. ts100 off, lakeshore on. 7.0ADU rms.

真空が持続しない. 外からアルコールをかけて調べたところ, 真空バルブおよび真空計の接続部分のどちらかにリークがある模様. いったん冷却と真空引きを停止する(15:10).

22:00 真空バルブと真空計の接続部分を一旦外し, 真空グリスを塗って再度真空引きを試みた. その結果, 1.3e-3 torr程度よりも真空度が高くならなかった. デュワーをKOOLS本体から外し, CaF2 windowをトールシールで接着した部分などをアルコールで調べたが, リークは発見できなかった.

prog/motor/更新. motorserverとruby script (socket_motor_command.rb, socket_motor_quit.rb)で 動作確認. KOOLS GUIも更新. MotorCommand.javaでSocketClientThread.start()を呼ぶようにした.

FITSヘッダのDecが負の場合正しくないのに対処したつもり. 温度のコメントはmessia/local/FITS_COMMENT.txtを変えた.

HCT: gunit側としては"MV02021"でon, "MV02020"でoffで変更ないので改修は不要か. テストしようとしたが, TS800との通信ができない. serial portsのLEDが点灯しない. ethernetもlink upしない.

[20070808]

ヘリウムリークディテクターを使用したリーク試験

(1) 8/8 午前中に行ったテスト

  • He流量のバックグランドレベルはseveral x 1e-9mbar*l/sくらい
  • CaF2窓付近でリークが発生している兆候。 窓付近をアルミ箔で覆った状態でHeをふきかけると 1e-6mbar*l/s程度まで上昇しゆっくり下降する。
  • 真空バルブと真空計をデュワーに接続するT字型の金具の デュワー側の接続部も、窓の1/10程度だが、若干のリークが ある可能性がある。
  • その他にはリーク源らしき部位は見つからず。

これを受けて、トールシールを窓の周りに追加。 T字金具を外し、エタノールで掃除してから真空グリスを塗ってつけ直し。  この時点で、上記2カ所からのリークを再チェックしたところ、 有意なリークの兆候はなくなった。

しかし、この状態で真空ポンプにつないで真空引きを行ったが 真空度は改善せず、むしろ真空度の悪化の速度はかなり早くなった (1分で1e-3torr以上上昇、朝までは1分で1e-4torr程度)。 このためもう一度Heリークテストを実施。

(2) 8/8午後のテスト-1

  • 明瞭なリーク源は見つからず。
  • しかし、何もしていなくても1分に1回程度の頻度でHe流量が 1e-6程度まで急激に上昇し、その後20秒程度で下降する散発的な 現象が観察された。

これの原因はよく分からないが、これまでにデュワー内のモレキュラーシーブに吸着されていた物質が放出されていて、 その中にHe分子もあるのではないかと考えた。

この考えに基づき(自信はないが他に思いつくものもないので) モレキュラーシーブを交換。ホットプレートで30分以上加熱後 デュワー内に入れた。

(3) 8/8午後のテスト-2

  • 明瞭なリーク源は見つからず。
  • (2)で観察されたような散発的な流量増加はみられないが、 あるときHe流量が1e-8程度に上昇するとそのままの状態が 持続する。一旦リークディテクターをoffにして再開すると 1e-9mbar*l/sに戻る。
  • なお、1分以上にわたって流量が1e-8から1e-7 mbar*l/s程度に 上昇する現象も(2), (3)でみられた。これはO-リングからの しみ込みではないかと考えている。

KOOLS本体にデュワーをとりつけ、18時過ぎから真空引き開始。 21:45 3.9e-4 torrから冷却開始. lakeshoreへの白金センサーのうちCCD側(A)の温度がとれない(0K). モレキュラーシーブ交換作業中におかしくしてしまったと思われる. 22:45 1e-5を切った. 真空バルブを閉めた. 1分間に1-2e-6 torrくらい上昇.

ガイダーユニットとの通信ができない。本館で清水さんとテストすると、ts800と他のボードは通信できる。 モータードライバにも電源がいっていない模様。よく分からないのでとりあえず、HCTはAC電源から直接手動で点灯させるように(清水さんのテスト用ケーブルを拝借)。切り替えミラーはモーターのカップリングを外して手動で動かしてHCTの光がKOOLSに入るようにした。

[20070809]

真空度は2e-5 torr台. モレキュラーシーブが吸着しているのでは.

gunitはもう一度試したら問題なく通信できた. 原因不明. 清水さんにご足労おかけしてしまった.

Filter Wheelのフィルター固定ねじを交換した(尾崎君). フィルターの配置が変わったので、 sanjigen:etc/motor.configを更新した.

焦点面ユニットを加工し, スリットの位置を下に(カメラに近い方に)約5mmずらした. ハルトマンテストを実施。少し不可思議な結果が出たりしたが、まだ焦点がちゃんと合わないようなので, スリットホルダー取り付け部を下に8mmずらした穴を作成. この位置でハルトマンテストをすると、 VPH683は焦点位置がカメラレンスの可動範囲内にある. VPH495はカメラレンズがデュワーにほぼ接した位置で 焦点位置. No5はまだ少し距離が足りない.

AGの焦点位置とKOOLSのそれがかなりずれている. 副鏡位置で17. AGのカメラレンズを動かした. 写真参照. レンズを支える二つのL字金具の台座手前側からの位置をノギスで測定. (補正前)向かって左96.0mm,右94.3mm ==> (修正後)左86.4mm, 右85.35mm.

なお、AG用pick off mirrorの劣化が著しい. 交換か蒸着が必要.

標準星: BD28d4211 No.5, VPH683, 495
B型星のテスト: FBS B 418 (V=15.2)
スタッフ用ページ(要パスワード)に夜帳のPDFが置いてある.

[20070810]

焦点面ユニットに対するスリット位置の変更(続). 4つのうち昨日加工した一つを除き残り3つのスロットのうち二つについて, 昨日より更に1mm下(計9mm下)に穴をあけ, 1"および1.4"のスリットをインストールした. 昨日加工した穴には三次元分光器1号機の時代に作られたガラスに蒸着されたスリットの幅が狭い方をマスクしたものをインストールした.

球状星団NGC6341: 像面歪曲の調査用
B型星のテスト: FBS B 402 (V=15.2), V635 Cas (V=15)
標準星: Feige110

[20070811]

ノイズ調査. 望遠鏡Dec軸はロープで, RA軸はサポートで固定した状態でKOOLSをカセグレン焦点から外すなどの試験を行った.

  • 制御室のエアコンのON/OFFで6ADUrmsくらいの差が出る.
  • sanjigenを経由して望遠鏡とKOOLSが通電している. 又, 真空計とsanjigenをつなぐRS-232Cケーブルの1番, 5番ピンも導通している. 真空計をOFFにしていても通電するので, ノイズに影響を与えると考えられる. 今日の測定では1ADUくらい(4ADU=>5ADU)寄与していると考えられる.
  • 望遠鏡とKOOLS間を切り離した上でKOOLSとsanjigenを接続した状態で3.0ADUが最小値. gain 2.26e-/ADUで6.8e-.
  • 望遠鏡-KOOLS間に1mmの塩ビ板をはさんだ. 0.2ADUくらい下がるようだ.
  • TS-100をモータードライバ収納箱に入れた. またモータードライバ電源の-端子をframe GNDに落とした. これらの処置により0.2ADUくらい下がった模様.
  • 望遠鏡のsidereal driveを入れると1ADUくらい上がってしまう.

NGC7331 VPH683, 495, 1.4" slit.
Twilight flat. domeflatとの比較用. V-bandおよびI-band.
シーイングが非常に悪かった(∼ 2-3").

[20070812]

ノイズ調査続行. 基本的に昨日得られた知見.

  • 望遠鏡, KOOLS, sanjigenをそれぞれ切り離すのがもっともよいか. なおかつその上で望遠鏡とKOOLSを1点で(ワニ口クリップで)つなぐと少し(∼0.2ADU)落ちる.
  • 状態が変化すると最初のbias frameは0.2ADUくらいばらつきが大きくなる.

<4000AAでの効率測定のためUV-D36Bフィルターを使って分光標準星を撮像. 7000AA付近にleakがあるため, Y49も重ねたイメージを取得してリークの寄与を評価する. この資料(スキャンしたPDF)に効率の波長依存性データあり.

望遠鏡の姿勢によるスリット像およびスペクトルの位置の変化調査. HCTを使用.

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