編 集 後 記 1960年10月に開所式が行われ既に40年の月日がたちました。40年間で 観測プログラムに掲載された観測者は約570名を数え、その経験と志は 次々と受け継がれ“すばる望遠鏡”へとつながっていきました。観測所 もユーザーの皆様に叱咤激励されながら成長を続け、地域の皆様のご協 力のもとに日本の天文学を支えてまいりました。 時代の流れとはいえ、40年前と今では観測機器はもちろん観測者、観 測の雰囲気もずいぶんと変わってきました。写真時代のなにかゆったり とした流れから、ある時を境に急に流れが加速され水量も何倍にも増え た感じがいたします。日本の天体物理学は岡山から始まったと言えば言 い過ぎでしょうが、その時々にマッチした観測機器が多く作られてきま した。それらが全て優れた論文を産み出したとは思われませんが、我が 国における天文学の裾野を広げ、着実に今日の観測天文学の基礎を築い てきたと思っています。 国内の光赤外線研究者の期待のもとに誕生した“すばる望遠鏡”は 2000年の暮れから定常運用に入りました。それに伴い、国内の光学望遠 鏡のあり方も大きく変わろうとしています。それらを鑑み、これまでの 国内観測天文学の一つの区切りとして、また岡山天体物理観測所のまと めとして、40周年誌の編集を始めました。日本の観測天文学を支えた観 測機器についてはもう少し詳述し、研究成果までフォローすべきでした が、力及ばなかった感は否めません。また紙面の都合上、P.I.装置につ いては装置の記述を割愛させていただきました。 寄稿者の皆様には全く急な寄稿をお願いしたにもかかわらず快く執筆 を引き受けていただきました。山陽新聞、読売新聞、毎日新聞、岡山県 立博物館、徳重真弓さんには貴重な資料を提供していただきました。粟 野諭美さんには章扉の天体の解説を執筆していただきました。林博さん、 植松晃さんには記念誌作成の手続きについてご助言とご協力をいただき ました。また、観測所職員の皆様には、本誌編集に時間をとられるあま り滞りがちであった作業の分担をしていただいたほか、折に触れ編集に 関するご助言をいただきました。半年という短い編集時間ではありまし たが、多くの皆様方のご協力によりどうにか出版まで漕ぎ着けました。 編集委員一同御礼申し上げます。御一読下されば幸いです。 渡辺  記
岡山天体物理観測所40周年記念誌 編集委員 前原英夫、渡辺悦二、泉浦秀行、柳澤顕史、浦口史寛 田実晃人、森  淳 発 行 日 平成13年3月30日 編    集 岡山観測所40周年記念誌編集委員会 発    行 文部科学省国立天文台岡山天体物理観測所 岡山県浅口郡鴨方町本庄  電話0865-44-2155 資料提供 山陽新聞、読売新聞、毎日新聞、岡山県立博物館、徳重真弓 協    力 粟野諭美 編集協力・印刷 旭総合印刷株式会社