170 1.一般(通常)公開 岡山天体物理観測所は開所以来以下のように、常 時一般に公開されている。 (1) 東京天文台時代 公開時間:9時30分〜16時30分 (2) 国立天文台時代 公開時間:9時00分〜16時30分 なお、蒸着作業等のため見学者の安全が確保され ない期間は見学停止とするが、それ以外の期間は1 年を通して公開を行っている。一般見学者は入り口 の守衛所で住所氏名を記載の上、見学用通路を登っ て188cm望遠鏡ドームにいたり、見学室からガラス 越しに望遠鏡や観測床を見学する(図6−2参照)。 なお、休日や祝祭日の見学への対応は、東京天文台 時代は守衛が交代で勤務し、守衛が配置できなくな ってからは警備会社に業務委託している。現在は守 衛所にインターホンとテレビカメラを設置すること で、業務時間内の来訪にも対処している。 この間の岡山天体物理観測所の見学者数は、図 6−1に示すようである。この40年間に併設の岡山 天文博物館とをかねて延べで200万人近くが訪れた ことになる。見学者数の長期的な変遷を見ると、 徐々に減少をしているが、岡山天文博物館が平成2 年に鴨方町に移管された際、プラネタリウムと太陽 望遠鏡を新設した影響で、一時的に増えている。近 年では、美星天文台や遙照山簡易保険保養センター の天文台など近隣に一般に公開される天文台ができ たこともあり、見学者が分散しているが、当所の公 開も、一般の人々や児童・青少年に宇宙への理解を 進め、興味を抱かせるという点で、少なからぬ貢献 をしているといえるであろう。 第6章 一般公開・特別公開 0 ’60 ’61 ’62 ’63 ’64 ’65 ’66 ’67 ’68 ’69 ’70 ’71 ’72 ’73 ’74 ’75 ’76 ’77 ’78 ’79 ’80 ’81 ’82 ’83 ’84 ’85 ’86 ’87 ’88 ’89 ’90 ’91 ’92 ’93 ’94 ’95 ’96 ’97 ’98 ’99(年) 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 (人) 図6−1 見学者人数の推移
171 2.特別公開 岡山天体物理観測所では光学赤外線天文学の研究 成果と観測所の仕事をより深く知って頂くために特 別公開を実施している(P172参照)。 夏休みあるいは秋晴れの頃に1日ないし2日開催 している。 通常の一般公開では入ることの出来ない188cm反 射望遠鏡ドーム内部や91cm反射望遠鏡ドーム内部 も公開して、望遠鏡を間近で見てもらい、その大き さを実感していただいている。 天体からやってくる微弱な光をとらえるための観 測装置の仕組みや最新の観測成果を分かりやすく解 説した展示を行い、天文学に関心のある見学者の興 味や疑問に応えている。 また2000年11月3日には夜間観望会を開催した。 188cm反射望遠鏡のカセグレン焦点部に観望用接眼 ユニットを取り付け、肉眼で天体観望を楽しんでい ただいた(P173参照)。 実際に188cm反射望遠鏡を使って星を見る感動を 味わうことができるため参加者から好評であった。 期      日 来訪者数 備    考 1 1985年9月21日 348人 夜間観望会あり 2 1986年9月20日,21日 433人 3 1987年8月6日,7日 855人 4 1988年8月4日,5日 890人 5 1989年8月3日,4日 547人 6 1990年8月2日,3日 1243人 7 1991年8月9日 566人 8 1992年8月7日 278人 9 2000年11月3日 341人 夜間観望会あり 観測所と社会のかかわり 図6−2 188cm反射望遠鏡一般公開(見学者室の様子)
第6章 172 ■ 2000年11月3日 特別公開のようす スタッフの説明に熱心に耳を傾ける見学者
観測所と社会のかかわり 173 188cm反射望遠鏡では日中は天体導入の デモンストレーションを、夜間観望会は月などの観望を行った