第2章 62 91cm反射望遠鏡 日本光学(日本) 1960年 日本光学工業株式会社(現在のニ コンの前身)によって製作された国 産大口径望遠鏡の1号機である。口 径36インチ(=91cm)であることか ら、通称36(サブロク)と呼ばれて いる。フォーク型赤道儀でカセグレ ン焦点専用であるため、全体がコン パクトな構造となっている。 光電測光観測は高い測光精度がえ られるため、1950年代に世界の天文 台で盛んに行われたが、わが国でも その必要性が認められ、188cm反射 望遠鏡と同時にこの望遠鏡が製作さ れた。 これまで188cm反射望遠鏡は主力 望遠鏡として主に分光観測に用いら れてきたが、これに対しこの望遠鏡 は光電測光やスペクトル分類に用い られ、両望遠鏡は相補的に使用され てきた。近年、91cm反射望遠鏡は 偏光観測に多用されている。 望遠鏡 カセグレン 主鏡 有効径[m] 0.91 材質 パイレックス 焦点距離[m] 3.2(F/3.5) 形状 放物面 厚み[m] 0.183(縁)、0.165(中心) 重量[kg] 262 焦点 種類 カセグレン 焦点距離[m] 12.0 口径比 13 焦点面 スケール [″/mm] 17.2 ハルトマン定数 0.8〜0.9 ■ 光 学 系 ■ 機 械 系 マウント 方式 フォーク式 重量[t] 6 駆動速度 モード クイック スロー1 スロー2 スロー3 赤経[/min] 90° 31′ 6.'2 赤緯[/min] 108° 2.°4 36′ 7.'2 表示 (読取) エンコーダー アブソリュート 最小分解能 赤経(RA) 18ビット 0.37秒(5."6) 赤緯(Dec.)17ビット 7. "5 指向精度±20″ ドーム 副鏡 案内望遠鏡 赤緯軸 極軸 フォーク 昇降床 ピア 主鏡 図2−4 91cm反射望遠鏡概略図
望遠鏡とドーム 63 図2−5 91cm反射望遠鏡。装着されている装置はOOPS