- 材質はCaF2で、2005年1月の段階ではシグマ光機のOPCF-30C03-P
(30mmφ、t=3mm)を、改造後はOPCF-40C03-P(40mmφ、t=3mm)を使用
- 8μmまで透過するのでデュワー内部との熱交換がなく、結露しにくい。
ウィンドウにヒーターを取り付けるということはしていないが、2004/10から
2005/1までの三回の試験観測では結露に悩まされる事がなかった。
- スペース節約のため、デュワーフランジ面への固定には
Torr Sealという真空用の接着剤を使用している。
購入先は株式会社パスカル。
- 以下は2004年12月の観測の際にとった画像
No.5 オブジェクトフレームの一部+Neランプ |
No.2 Neランプのコンパリソンフレーム |
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- No.5の右端、No.2の左右両端が丸くなっているのはデュワーのウィンドウで
けられているため。
もともとカメラレンズがそこまで対応していないだろうと思っていたので、
CCDの幅を覆うような形にしていなかった。
ウィンドウを40mmφに変えることによって、ほぼCCDの幅全体をカバーすることが
できる。
波長域はNo.5の場合長波長側に〜500A、
No.2の場合短波長側に〜300A, 長波長側に
〜400A伸びることになる。
- No.5の画像を見ればわかるように、中央部右の大きなdefectによって、スリット
全体(〜800pixel〜4'.5)の2/3以上の領域で波長域が一部削られてしまう。
改造によってCCDの位置を4.5mm=300pixelほどずらしたので、defectの影響を
受ける部分が3割程度に抑えられる。
ただし、Nod-and-Shuffle等でcharge shuffleをする時は電荷を上下に動かすため、
視野全体がこのdefectの影響を受けることになる。
- 2005年2月7日 新しいデュワー部品が到着
作りなおした部品1(フランジ面)と3(銅板ステージ)が届いた。
取り換えついでに写真を撮る。
格納部にCCDを入れたところ(
オリジナル、
説明付)
横から見るとワイヤー保護部が飛び出して
いるのが見える。
別の角度から
うしろから見たところ(
オリジナル、
説明付)
PC Boardというのは
ここの"Connection between CCD and clkamp"のところに説明のある
ボードで、CCDとCLKAMPの配線の仲立をしてくれる。
ボードと、CLKAMPからのケーブルを繋ぐコネクタは宮崎さんからもらった
(基盤への実装は柳澤さんにやってもらった)。
CCDからのケーブルを繋ぐコネクタは
KELの8822E-040-171で、(清水さんを通じて)中国電子から購入。
デュワー本体(
オリジナル、
説明付)
これに上の格納部を付けて、ヒーターと銅網線を繋いだのが
こちら
デュワー全体(
オリジナル、
説明付)
黒いフランジ面の中央部に見えている白い輪は、ウィンドウ固定のための
接着剤 Torr Seal。
- 改造デュワーの冷却試験(2005/2/9)
上記デュワーで真空引き(2/8-2/9)と冷却試験(2/9-2/10)を行った。
MFrontの温度センサー回路は上限が+7℃なので、+5℃以下のみを表示している。
2/9の21時頃に液体窒素を注入し、設定温度の-90℃まで冷えるのに約8時間
かかっている。
冷却に要する時間は場合によってまちまちで、下のグラフのように改造前は
3時間程度で冷える事もあれば8時間かかることもあった。
これらは全て実験室での測定で、冷却に要する時間と到達温度の間に相関が
あるようなので、おそらく液体窒素タンクとステージの間の熱抵抗が変わって
いるのだと思うが、変化する理由は良くわからない。
-90℃に温度制御している状態で液体窒素補充(満杯)から温度が上がり始める
までの時間は、約8時間。
これは周囲の温度には多少依存するが、ほとんど変わらない。
タンク内での蒸発スピードでほぼ決まっているのだろう。