第23回 天体スペクトル研究会

日時
2018年2月24日(土)午後1時〜25日(日)午前12時(予定)

会場
ノートルダム清心女子大学アクセス

ご挨拶
天体スペクトルを利用して研究されている方、分光器の研究や製作をされている方、 学校などで天体スペクトルを教えている方々を対象に、今年も研究会を開催いたします。 下記の通り、発表(口頭・ポスター)および参加の申し込みを受け付けています。みなさまのご参加をお待ちしています。

お知らせ(参加のご案内、申込方法、プログラム等)
第一報(2017.12.6)
第二報(2018.01.12)
第三報(プログラム等)(2018.02.12)

予稿集

口頭発表:


京都大学3.8 m望遠鏡 + ファイバー型面分光装置KOOLS-IFU(松林 和也@国立天文台岡山天体物理観測所):招待講演

我々はファイバー型面分光装置KOOLS-IFUを開発し、京都大学3.8 m望遠鏡に接続することを計画している。本公演ではKOOLS-IFUの概略と、KOOLS-IFUが狙うサイエンスについて紹介する。


平成30年度からの188cm望遠鏡の運用(佐藤 文衛@東京工業大学):特別講演

岡山188cm望遠鏡は、平成29年度をもって大学共同利用が終了し、平成30年度からはユーザー主体の運用へと移行することが決まっている。本講演では、現在検討しているユーザー主体の運用方法について紹介する。


高等学校における一般生徒向け分光観測講座の実践(石田 光宏@横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校)

勤務校である横浜サイエンスフロンティア高校の夏期講習において、一般生徒向けに3日間で観測、解析、発表までを体験させる、分光観測講座を行った。アンケート結果から見えてきた成果・課題などを報告する。


デジカメの波長特性を利用したスペクトル解析ソフトウェア開発(秋田 守)

簡易分光器を用いて撮影したデジカメのRAW画像から、センサーのRGBフィルターの透過率比から波長を推定するソフトウエアを開発した。


Sirusと21Pegのスペクトルを利用したFeII高励起線の観測的gf値の決定(西村 昌能@京都教育大学)

早期B型星に見られる高励起線が弱い輝線となる現象を調べるため、Siriusと21 Pegの高分散かつ高SN比のアーカイブスペクトルからFeIIの高励起線のgf値を経験的に計測する試みを報告する。


光赤外線大学間連携を通じた近傍IIP型超新星SN 2017eawの追観測(山中 雅之@広島大学)

NGC 6946で発見されたIIP型超新星を 紫外可視近赤外線の多バンドで高頻度モニター観測を実施し、特に近赤外線データについて初めて100-200日の詳細な振る舞いを示すことができたので、これを報告する。


DSS-7を使った分光観測2017(赤澤 秀彦@倉敷・船穂天文台)

35cm望遠鏡に取り付けたSBIG社DSS-7を使って低分散の分光観測の可能性を模索してきた。2017年の観測結果を紹介し今後への課題について報告する。


クェーサー吸収線系から探る銀河と宇宙⼤規模構造の進化 2(小倉 和幸@文教大学(2/1~))

ともにガスを多く含んだ若い銀河であると考えられる、減衰ライマンアルファ吸収線系(DLA)とライマンアルファ輝線銀河(LAE)との関係を調べるために、DLA集中領域においてLAEの観測を行った。本講演では、その結果を報告する。


直視分光器VEGAを用いた木星の大赤斑の分光観測(竹内 彰継、山脇 貴士@米子工業高等専門学校)

現在、木星の大赤斑は例外的に「赤く」なっており、長径の縮小も進んでいて消滅も近いのではないかと言われている。そこで、本校では大赤斑の赤化と縮小の関係を調べるた、昭和機械製作所のVEGAを改造した分光器を利用し、大赤斑の分光観測を始めたのでその結果について発表する。


岡山天体物理観測所クーデ分光乾板のデジタル化(加藤 賢一@岡山理科大学)

岡山天体物理観測所の活動の記録ならびに教材とすることを目的に、クーデ分光器のF4カメラで取得された乾板写真約1000枚の外観をデジタル化し、ネット上から参照できるようにした。


2017北米皆既日食における自作低分散分光器によるコロナの観測(坂江 隆志@埼玉県立浦和西高等学校)

太陽コロナの100万度(Fe 637.4nm)と200万度(Fe 530.3nm)の温度構造を測定する目的で、東西リム付近を別々に撮像する2台の低分散分光器を製作し、行った観測について報告する。


3.8m望遠鏡による炭素星分光分類の延伸計画(泉浦 秀行@国立天文台岡山天体物理観測所)

3.8m望遠鏡とKOOLS-IFUによる低分散分光により、銀河系内の炭素星の分光分類を延伸し、炭素同位体比異常を示す星のカタログを改訂する計画について、目的や方法など、検討状況を紹介する。


公開データを使う天文学(定金 晃三@大阪教育大学)

世界各地の天文台から色々な形態で観測データが公開されており、研究や教育に役立てることができる。分光データを例にして数例を紹介し、最近得られた成果について説明する。


古典新星ASASSN-17hxの高分散分光観測(前原 裕之@京都大学)

極大付近で複数回の増光を示した古典新星ASASSN-17hxの各増光のピーク付近、および増光と増光の間の時期の高分散分光観測を岡山188cm望遠鏡とHIDES-Fで行った結果を報告する。


初心者向けの分光観測事例について(近藤 弘之@五藤テレスコープ株式会社)

分光観測に興味はあれど機材のことでなかなか踏み切れないケースがあるかと思います。初歩的ではありますが私が使っている回折格子StarAnalyser100とソフトRspecを使った観測事例について紹介します。


おうし座RV型変光星U Monの化学組成解析(井上 和俊@放送大学)

ぐんま天文台の高分散分光装置GAOESで得られたU Monの観測データからUMonの化学組成を決定し、先行研究と比較した結果を報告する。


岡山天体物理観測所における天体の視線速度精密測定について(神戸 栄治@国立天文台岡山天体物理観測所)

系外惑星探索等に用いられているヨードセル法から現在実験中の天文コムに至る、岡山観測所の視線速度精密測定の試みや成果について紹介する。


近赤外線高分散分光器WINEREDを用いた、z',Y,Jバンドにおける晩期型星の化学組成解析(福江 慧@京都産業大学)

京都産業大学と東京大学の開発したWINEREDを用いた近赤外線での化学組成解析の現状について、本公演では晩期型星の結果を例として紹介する。


なゆた望遠鏡でのプレオネのHα輝線観測(本田 敏志@兵庫県立大学 天文科学センター)

プレオネ伴星の近星点通過時期を狙って西はりま天文台でHα輝線の分光観測を行った。その結果などについて報告する。


分光器Alpy600使用のための日本語マニュアルの作成(松井 瀬奈@岡山理科大学)

我々はフランス・Shelyak社製分光器Alpy600の使用手引書(マニュアル)を英文の解説書を元に作成している。その途中経過ならびにこの分光器の構造について発表する。


古典新星ASASSN-17hxおよび共生星V694 Monの分光観測(安藤 和子@岡山理科大学)

岡山理科大学観測チームは2016年2月に増光が報告された共生星V694 Mon(MWC560)、2017年6月19日に14.7等の新星として発見されたASASSN-17hxの観測を行った。本発表ではそれぞれのスペクトルの変化と両星のスペクトルの違いなどを報告する。


視線速度法における吸収線輪郭解析(宝田 拓也@東京工業大学)

恒星の表面活動は見かけの視線速度(RV)変動を引き起こすため、RV法による太陽系外惑星探索の弊害となる。本講演では、RV変動の原因を精査する上で必要となる吸収線輪郭解析手法について発表する。


すばる望遠鏡の新近赤外高分散分光装置IRDによる中期M型矮星のスペクトルの解釈(石川 裕之@総合研究大学院大学)

すばる望遠鏡の新しい近赤外高分散分光装置IRDで取得した、2つの中期M型矮星(M4V)のスペクトル(主にY,Jバンド)について紹介する。特にFeH分子の吸収線と、11種類の原子吸収線の等価幅解析の結果を報告する。


ごく初期に紫外域での超過を示したIa型超新星SN 2017erpの測光分光観測(川端 美穂@広島大学)

爆発後、間もない時期に発見されたIa型超新星SN 2017erpを紫外-可視域で観測した。その結果、ごく初期に紫外域のみ超過が見られた。これは膨張大気が伴星と相互作用したことを示唆しており、その考察の結果を報告する。


水素吸収線速度が非常に速いIIP型超新星SN2017czdの測光分光観測(中岡 竜也@広島大学)

IIP型超新星は近傍銀河で最も頻度の高い超新星爆発の型であり観測例は多い。しかしUGC9567に発見されたSN2017czdは、爆発3日後の水素吸収線速度を測定したところ、典型的IIP型超新星の2倍以上となる20000km/sを示した。ライトカーブ等の特徴も併せて報告を行う。


速い減光を示した極超新星SN 2014asの観測(大坪 一輝@広島大学)

我々は広島大学所有のかなた望遠鏡を用いて、初期の極超新星との類似性が報告されていたSN 2014asの追観測を行った。その結果、スペクトルは幅の広がったケイ素とカルシウムの吸収線を示した事がわかった。



ポスター:


八ヶ岳南麓における夜空のSpectrumについて(山根 秋郷@ほしいづみ会)

暗く天の川が見えるような八ヶ岳南麓でも光害の影響が現れている


2005年プレオネ円盤形成直前に現れた箱型金属吸収線解釈の試み(片平 順一@中之島科研(大阪科学振興協会))

背景の光球線が、円盤形成開始前に光球上空に発生する差動回転領域(赤道加速)での吸収で変形されるとし、簡易モデルでの近似を試みた。観測は2010年15回天体スペクトル研究会で報告(片平&14名)。


Tタウリ型星の測光・分光観測(山村 春香@岡山理科大学)

若い天体であるTタウリ型星のうちの古典的Tタウリ型星であるT Tauと弱輝線Tタウリ型星でありアウトバーストをおこしたV0523 Oriの観測を行った。それらの分光観測結果を、測光観測のデータとともに報告する。



実行委員会構成
委員長加藤賢一(岡山理科大学)
委 員水野 博(ノートルダム清心女子大学)
 同 泉浦秀行(国立天文台)
 同 佐藤文衛(東京工業大学)
 同 神戸栄治(国立天文台)
 同 野上大作(京都大学)
 同 山中雅之(広島大学)
 同 粟野諭美(岡山天文博物館)
事務局長西村昌能(京都教育大学)
事務局井上和俊(元大阪府立箕面高校)
 同 松本 桂(大阪教育大学)
 同 新井 彰(京都産業大学)
 同 本田敏志(兵庫県立大学西はりま天文台)
顧 問定金晃三(大阪教育大学)


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